137_庭のないマンションで仲間と一緒に園芸を!

マンションライフ部門

佳作

庭のないマンションで仲間と一緒に園芸を!

シーマークス・タテニワ倶楽部 代表 當宮 雅子

背景

  • 私どものマンションは築20年、総戸数161戸、JR最寄り駅から徒歩3分、途上にはスーパーマーケットがあり、とても便利のいいマンションです。また、すべての住居から海や明石海峡大橋を臨むことがき、景観にもとても恵まれています。このような環境を反映し、居住者は子育て世代の共働き世帯と高齢者世帯が多くを占めているようです。
  • マンションのエントランスホールには4つのニッチ(花台)があります。これまで、有志の居住者により生花や観葉植物が飾られていた時期もありましたが、その方が体調を崩したり一人で水遣りを続けることが難しくなったりで、ニッチにはいつの間にか日本人形や置物などが置かれるようになっていました。雑多な印象は拭えず、エントランスホールを通るたび、このニッチに植物を飾れたら…と思っていました。
  • そんな時、園芸関連冊子で『タテニワ』に出会いました。『タテニワ』は市販のプラスティック容器(100均で購入)に穴を開け側面に植物を植え込んだものです。土の代わりに木質チップを使っているため保湿性が高く、水遣りが月1回で済みます。また並べて積み重ねて飾れるためデザイン性が高く、『これならマンションエントランスに無理なく飾ることが出来る!』と直感し行動を起こしました。

目的

  • 近所の公園で一緒に花壇活動をしているマンションの仲間を、まず誘ってみました。しかし、タテニワが普及しておらず、『タテニワって、なに?』という状況でしたので話は盛り上がりませんでした。
  • 仕方なく1人でタテニワを作り、2021年5月、エントランスホールにタテニワを飾り始めました。活動を始めて半年が経ち、そろそろ仲間を募ろうと考え始めた時、『これは、マンション内にタテニワクラブというコミュニティを作るということだ!』とあらためて認識しました。
  • 折しもコロナ禍真只中、また、度々目にする災害報道に、人との交流の大切さ、居住地域でのコミュニティの必要性を強く感じていたところでした。当初は、エントランスにタテニワを飾りたいという単純な思いだけでしたが、以降、『タテニワクラブというコミュニティを作る!そして、様々な世代の居住者とゆるく繋がりながら、一緒に、エントランスホールにタテニワを飾る!』という明確な目的を抱いて活動を進めていきました。

実施内容

講習会(講習会)
『タテニワ俱楽部』結成!
  • 2021年5月~:エントランスホールにタテニワを飾り始める。約1年間、1人で活動することになりましたが、結果的に良いデモンストレーションになったと思います。
  • 2023年2月、3月:『タテニワ便り』No1、No2を一カ月おきに連続して発行。このニュースレターで『タテニワ』の特性を紹介し、また、『活動に共感してくれる様々な世代の居住者と、ゆるく繋がりながら、一緒に、エントランスホールにタテニワを飾る活動をしたい』という思いをストレートに発信しました。このレターをフリーペーパーとしてエントランスホールに置くことで、レターが何枚なくなるか、興味を持っている人がどのくらいいるのか把握することが出来ました。(『タテニワ便り』は現在も不定期で発行)
  • 2022年5月:外部講師を招いて『タテニワ講習会』を実施。
  • 2022年6月:講習会に参加されたマンション居住者8名で『シーマークス・タテニワ俱楽部』を発足。
  • 現在、9名で活動。メンバーはそれぞれ自宅で約10個のタテニワを育てています。月1回、皆で、水遣りを済ませたタテニワを1個ずつ持ち寄り、エントランスに飾っているタテニワと交換します。タテニワは水遣りが月1回で済むためこの活動が可能です。

実施結果

結果
噴水跡地の活用
ゆるく繋がるコミュニティの形成
  • タテニワは個人所有であるため、飾っている間もメンバーそれぞれが愛情と責任をもって自身のタテニワを世話しています。皆で集まって活動するのは月に一度、30~60分、ゆるく繋がるコミュニティだと思います。『何事も、最初は一人の思いから!』と自身を鼓舞し一人で行動を起こしました。頻発する災害や進む高齢化社会を目の当たりにし、マンション内のコミュニティへの参加意識は高まっていると感じます。
  • その意識は、コロナ禍を経験し、さらに強まっていると思います。一方、『でも、煩わしいご近所付き合いは避けたい』という居住者も多いようです。タテニワクラブがそんな居住者の気持ちにちょうど合っていたからこそ、活動に共感してくれる仲間たちと繋がれたのだと思います。
マンションのグレード・資産価値アップ⁉
  • デザイン性の高いタテニワ(植物)がエントランスにあることで、マンションがグレードアップしたのでは、というご意見を耳にします。また、コミュニティが健全に作動していれば自然と住みよい環境が育ち、それが何より、バリューアップに繋がると思います。

苦労した点・工夫した点

新規メンバーの獲得
  • 駅近のいわゆる都会のマンションでは、以前の私自身がそうだったように、『煩わしいご近所付き合いは避けたい』と考えている居住者が多いように思います。このためか、新規メンバーの獲得に苦労しています。 高齢者世帯と子供がいる共働き世帯のどちらの居住者にも参加していただき、ゆるく繋がるコミュニティになればと考えています。キッズルーム前のガーデンでトマトやイチゴなどを栽培してみよう、夏休みには、子供・親子向けのタテニワ講習会をやってみよう、などと皆で計画を練っています。
資金の調達
  • タテニワは1個当たり500円~1000円で作っており、メンバーそれぞれが所有し、経費を負担しています。エントランスに飾っていない期間は自宅に飾って楽しめますが、メンバーの負担軽減に苦慮しています。助成金が出るガーデンショーに出展し、苗やデコレーション用の棚などを調達しました。居住者から不用品を集め、フリーマーケットに出してみるのもいいのでは、と話しています。 エントランスをタテニワで飾ることが本来の目的ですが、問題解決のために皆で協力しあうこともイベント感があってよいのではないかと思います。

管理組合・居住者の声

  • タテニワ俱楽部の活動に際しては、本来有料の集会室の使用が無料になるなど、管理組合(居住者が輪番制で運営)には好意的に対応して頂いています。 ホールでタテニワの世話をしていると、居住者と挨拶を交わすことが多く、『いつもありがとう』とお声掛けいただく事も多々あります。また、居住者の方がタテニワの写真を撮っておられるのもよく目にします。 これらのことから、エントランスホールの現状を多くの居住者に歓迎して頂いているのだと感じます。

実施にかかった費用

収入増や支出減となった費用