186_ペットの抱きかかえ等不可時におけるヘルプマークの運用について

マンションライフ部門

審査員特別賞若手フロントとしてのアイデアや創意工夫で管理組合へ貢献

ペットの抱きかかえ等不可時における
ヘルプマークの運用について

野村不動産パートナーズ株式会社 鈴木 愛梨

背景

  • 竣工6年目のマンション
  • ペット飼育開始時から健康状態が変化した居住者より相談があり、それをきっかけに検討し、運用に繋がった内容
当該管理組合のペットの飼育に関する使用細則には以下の規定がある
  • ペットの飼育者は敷地内及びペットの同伴ができる共用部分においては、床を歩行させず、ペットはケージ・キャリーバッグ・カート等に収納するか、リードを短く持ち抱きかかえて移動する
  • ペットの飼育開始後に、ペット飼育者が身体の障害や健康上の事由・加齢に伴う体力上の事由により、共用部において飼育するペットをケージ・キャリーバッグ・カート等に収納し、または抱きかかえて移動することができなくなった場合、ペット飼育者は「ペットの共用部歩行に関する申請・承認書」を提出し、承認された場合に限り、ペットに床を歩行させることができる

目的

  • あるペット飼育者(以下、Aさん)が健康上の理由により、共用部において飼育するペットをケージ・キャリーバッグ・カート等に収納し、または抱きかかえて移動することができなくなったため、使用細則に基づき「ペットの共用部歩行に関する申請・承認書」を提出し、承認され、一定期間掲示にて周知を行った。
  • しかし、住戸数は300を超えており、一部居住者は掲示板を見ないことやペットだけでは見分けが付きづらいケースもあるため、Aさんが共用部でリードで繋いだペットを歩かせていると、複数の居住者よりマナー違反であることを指摘されたり、視線を感じることが多く、その都度説明することも困難なため困っていた。
  • 都度説明がなくとも一目瞭然で、管理組合に承認されたペット飼育者であることを示すための解決策を探った

実施内容

ペットの抱きかかえヘルプマーク運用について
ペットの抱きかかえ等不可時におけるヘルプマークの運用について
  • 費用がなるべくかからず、共用部分歩行の承認を受けたペットであるのか明瞭な見分け方法を検討
  • ペット委員会にて検討し、マタニティマークを参考に、簡便で抵抗がないイラストを採用したステッカーを該当者に配付する提案を理事会へ上申
  • 周知のための全戸配付書面とステッカー案を理事会にて確認し、検討の結果、無事承認
  • 後日、全戸配付により各居住者に周知徹底を実施

実施結果

実際のステッカー
実際のステッカー
  • Aさんは指摘をされた居住者へ度々説明することや視線を感じることに恐れてペットを連れた外出を避けがちになっていたが、本システムを導入したことで、晴れて気にすることなく外出が可能になったとのこと
  • また本件における通報者もいなくなり、日頃マナーを守っている飼育者が感じる不平等感もなくなった
  • これにより、ダイバーシティが形成され、ペット飼育者・非飼育者問わず、より快適な住み心地のよいマンションへ変化している

苦労した点・工夫した点

  • 費用がなるべくかからず、承認を受けたペットであるのか明瞭な見分け方法の模索
  • 該当者が抵抗なく付けやすいイラストの選定
  • 本件の経緯を知らないマンション居住者に対する分かりやすい全戸配付書面の作成

管理組合・居住者の声

  • Aさんより、管理会社に相談したことで、ペット委員会メンバーや理事会上申時の経緯説明、具体的な提案だけでなく、居住者への周知までのフローが実現に至ったことに感謝の言葉をいただいた

実施にかかった費用

  • 費用発生なし(印刷代、ラミネート代ともに管理会社負担のため)

収入増や支出減となった費用