マンション管理
適正評価部門
準部門賞
絶対的な付加価値を、あなたに!
株式会社大京アステージ 古市 和人 / 亀谷 和弘
背景
- 札幌市西区にある団地、ザ・タワーシティ内の「ザ・サッポロタワー琴似」は、2006年2月に竣工された、214戸からなる地上40階建のJR琴似駅直結の超高層タワーマンションです
- また、竣工当時は北海道で、高さがナンバー1、自宅玄関から約3分で駅のホームにたどり着けるという立地です。さらに、敷地内には「札幌市景観資産」の第1号である「日本食品製造合資会社旧工場(通称レンガ館)」のある管理組合です。
- 上記のとおり、ハード面の価値もさることながら、札幌市景観資産等の歴史的価値もあるマンションです。
- そして、管理会社として最も伝えたいことは、その管理組合の自主性の高さと積極性です。
- 「これこそが、管理組合のあるべき姿である」という運営がなされているため、それを評価する「マンション管理適正評価制度」、「マンション管理計画認定制度」を利用すべきと判断し提案させていただきました。
- 本提案については、管理会社として以下の思いから本気で提案に着手いたしました。
管理会社としての想い
- 管理組合運営に対する対外的な評価を付加したい
- 大規模修繕工事に借入の金利優遇を提供したい(すまいる債保有中)
- マンション管理適正評価制度による「道内初」という絶対的なブランディング(価値提供)をしたい
- マンション管理計画認定制度による「道内初」という絶対的なブランディング(価値提供)をしたい
目的
経年で劣化しない絶対的な付加価値の提供
- ザ・サッポロタワー琴似(ザ・タワーシティ)の資産価値向上のために、マンション管理適正評価制度においてタワーマンション「道内初の★5」の取得に向けた対策および区分所有者の合意形成の実施
- 上記に併せて、マンション管理計画認定制度の「道内初の認定物件」になることへの対策および区分所有者の合意形成の実施
- 大規模修繕工事に伴う借入金(住宅金融支援機構利用)における金利優遇の実施
その他目的
- ザ・サッポロタワー琴似(ザ・タワーシティ)の「課題の可視化」
- 可視化した課題を管理組合で共有することで、管理会社の担当者変更や役員の交代の際の継続性を担保
実施内容
ザ・サッポロタワー琴似(ザ・タワーシティ)の現在地および理想の姿の洗い出し
- 管理会社による「マンション管理適正評価制度」および「マンション管理計画認定制度事前評価」の事前評価を実施しました。
- これは、公表されている評価項目について現状どのような評価になるかの洗い出しを行う作業であり、希望する管理組合全てに無償提供したサービスとなります。
- その結果、普段からの管理組合の運営の成果でほとんどの項目において基準以上のレベルを満たしていました。
- ただし、「修繕積立金会計収支」の項目については条件を満たしていませんでした。
- そこで、実効性と精度の高い「長期修繕計画」を策定することで「マンション管理適正評価制度」において★5の評価(理想の姿)を取得できると考え、提案を実施してまいりました。
長期修繕計画表の問題点と改善提案
- 計画工事に含まれていなかった「ロードヒーティングボイラー更新および燃料転換工事」など、各種工事の実施を踏まえることの他、今後の短期的、中期的長期的な修繕計画の明確化を提案。
- 同計画を基にした資金計画を見直し、さらにそれを区分所有者へ周知することを提案。
防災対応について
- タワーマンション防災を意識した「階段移動」の概念を無くした「偶数階への防災用品分散配置」
- 2018年の北海道胆振東部地震を経験してこそできた団地管理組合専用の「大規模地震対応マニュアル」を完備。
絶対にくつがえらない価値とはなにか?
- 突然ですが、皆さまにクイズです。
- Q1.日本一高い山は富士山ですが、日本で2番目に高い山はどこでしょうか?
→A「山梨県の北岳(きただけ)」 - Q2.日本一大きい湖は琵琶湖ですが、日本で2番目に大きい湖はどこでしょうか?
→A「茨城県の霞ヶ浦(かすみがうら)」 - 皆さまはわかりましたか? ほとんどの方がわからなかったと思います。
- つまり、1位と2位にはこれだけ圧倒的な差があります。 マンション管理適正評価制度、管理計画認定制度の評価も更新があるので評価は流動的となります。
- 「ザ・サッポロタワー琴似」より優れた管理運営を評価される組合も出てくるでしょうし、それは不動産管理業界としては望ましい世界と言えます。
- しかし、マンションにも山や湖のように絶対に変わらない評価があります。 それは「一番最初に評価を受ける」という事です。
- マンション管理適正評価制度においてタワーマンションでの北海道内初の★5つを取得したのは「ザ・サッポロタワー琴似」です。
- また、北海道では2023年4月より制度が開始されたマンション管理計画認定制度の「道内初の認定物件」はザ・サッポロタワー琴似です。
- 今後、本制度を利用した素晴らしい管理組合が増えるでしょう。
- しかし、私たち管理会社はザ・サッポロタワー琴似に「道内初の認定物件」という絶対的なブランディング提供をしたかったのです。
実施結果
「北海道内発」のブランディングに成功
- 管理会社からの提案にあたり、持ち前の機動性のある管理組合の運営により「道内初」のタワーマンションでの★5つ評価および認定マンションとなりました。
成果(実利):住宅金融支援機構による融資金利優遇
- 同時期に大規模修繕工事を控えており借入の計画がありました。
- ザ・サッポロタワー琴似様は「マンションすまい・る債」を保有していたため、マンション管理計画認定制度で認定を受けることで、「0.57%」の金利優遇を受けることができました。
苦労した点・工夫した点
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管理組合・居住者の声
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実施にかかった費用
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収入増や支出減となった費用
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