421_「脱☆団地感!!」~大規模修繕工事と同時実施だからこそできる、コストメリットのある施工方法でイメージチェンジ~

工事・メンテナンス
部門

佳作

「脱☆団地感!!」
~大規模修繕工事と同時実施だからこそできる、
コストメリットのある施工方法でイメージチェンジ~

小金井パーク・ファミリア管理組合
三井不動産レジデンシャルサービス
劒持 紅瑛グレース

背景

  • 私たちが住んでいる小金井パーク・ファミリアは1979年6月竣工の築44年の127世帯のマンションです。
  • 近隣には多くの新築マンションも建設されていますが、時々タヌキがでたり!武蔵小金井は「ちょっと都会でちょっと田舎がちょうど良い」活気のある街になっています。
  • 今回の挑戦は、2021年に大規模修繕工事の検討時期に差し掛かった通常総会において、居住者から「この機会に、マンションの資産価値をあげることが検討できないか」という意見が出されたことがきっかけとなります。
  • 理事会にて検討した結果、「脱☆団地感!!」をコンセプトに提案できないか管理会社に依頼することになりました。理事会の強い想いを受け、管理会社(三井不動産レジデンシャルサービス株式会社)から小金井パーク・ファミリアを更なる魅力的なマンションへ変貌させるべく、三井不動産グループが掲げる「経年優化」を体現するようなプロジェクト提案が始まりました。

目的

  • 「脱☆団地感!!」をコンセプトに、大規模修繕工事と同時実施だからこそできる「コストメリットのあるイメージチェンジ」で小金井パーク・ファミリアを更なる魅力的なマンションへ変貌させ「資産価値をUP」すること
  • 「高齢者が楽しく過ごせるマンション☆居住者コミュニティ形成を支援」外観だけではなく、ほとんど使用されていなかった共用施設も同時改修することで居住者間コミュニケーションを創出すること

実施内容

パークファミリア資料
「脱☆団地感!!」~大規模修繕工事と同時実施だからこそできる、コストメリットのある施工方法でイメージチェンジ~
  • 理事会からの要請を受け、管理会社にて以下の3社 (デザインコンサルタント:株式会社MACオフィス、大規模修繕工事施工会社:中外商工株式会社、植栽デザイン・改修施工会社:イビデングリーンテック株式会社)を選定しプロジェクトチームを始動し、いくつかのデザイン案と共に理事会へ見積の提出がありました。
提案内容のポイントは次の2点
  1. 過度にコストをかけず長期修繕計画に支障がないこと
  2. 構造等の変更は行わず、大規模修繕工事で通常補修する外壁やパネルの塗装色を変更したり、エントランス棟のタイルを変更することで既存のマンションデザインを生かすこと
  • これにより、大規模修繕工事と同時実施だからこそできる、「コストメリットのある施工方法でイメージチェンジをすること」が実現しました。
  • 理事会にてデザイン案を複数確認し、マンションの顔であるエントランスからエレベーターホールの改修およびデザインコンセプトの検討を行い、役員全員でマンション内を見てサンプルを確認し、デザイン性だけでなく、居住者が実際に暮らすうえで不便がないか、高齢者が転倒しにくい素材を選びました。
  • 最終的に理事会で検討した3案を居住者へアンケートした結果、最も多くの賛同があった「ラグジュアリー」デザインを施工することとなり、2023年3月に臨時総会を開催し可決承認されました。現在外構の植栽等は植え替え完了し2024年1月末完工予定で工事中です。
「高齢者が楽しく過ごせるマンション☆居住者コミュニティ形成を支援」外観だけではなく、共用施設も同時に改修することで居住者間コミュニケーションを創出
  • 竣工時、24時間常駐の管理員が住宅として使用していた管理室奥の居室部分について、今では管理員も通勤勤務となり、自治会の餅つき用品や管理組合の書類が置かれた倉庫のようなスペースになっていました。
  • 今回、昨今の住宅情報誌等を見ると、新築マンションにはコミュニティ形成ができるような共用施設がある点に着目し、高齢化が進み世代交代もしていくであろう、当マンションにおいて、コミュニティ形成を支援していくことは生活のQOLを向上させるうえで欠かせない要素であるとの結論に至り、デザイン会社に内装改修工事を依頼することにしました。 その結果、新たに多目的スペースが居住者の憩いの場として完成しました。居住者向けの茶話会や、自治会主催の餅つきなどのイベントや管理会社主催のマルシェ等を開催しコミュニティ形成支援につなげる予定です。
  • 友達やお孫さんなど気軽に呼べて、ちょっとした時に居住者で集まって談話できるスペースとして小金井パーク・ファミリアのコミュニティ形成を醸成していきます。

実施結果

  • 築年数が経過したマンションでも「経年優化」していけることを、管理組合と管理会社にて知恵を絞って検討した結果、証明できた。
  • 建て替えではなく、大規模修繕工事等、より良いメンテナンスを実施していくことで長く住むことができ、時代と共に外観デザインや居住者間コミュニティの在り方も管理組合で検討していくことで、更なる魅力的なマンションへ変化していけることを体現できた。

苦労した点・工夫した点

理事会コメント
  • さまざまな居住者がおられる中で今回の取り組みに反対される方も少なからずいらっしゃいました。そのため決定に至るまでには複数回のアンケートや臨時の説明会を積み重ねました。また、理事会役員のほか修繕委員を公募し、できるだけ多くの方の意見を取り込む努力をしました。結果、完全同意はできませんでしたが、多くの皆さんの賛同を得て今回今までは無かった改革を実施することが出来ました。
  • 老朽化するマンションの問題がクローズアップされる昨今、当マンションの経年優化の取り組みが参考になれば嬉しく思います。
管理会社コメント
  • 工夫した点としては、全く別の業界のデザイン会社と施工会社が円滑に工事内容および計画を立案できるよう、管理組合への提案内容や説明方法がわかりやすくなるよう、取りまとめを一番意識して対応しました。デザイン画像と実際補修して色を塗っていった時のイメージがずれないよう繰り返し現地で役員の皆さまにお時間頂戴し、実際のサンプルを壁に当てたりして一つ一つ決めていきました。また総会運営では議案内容の質問を受け付ける「管理会社相談会」を開催し、当日居住者の皆さまに議案への理解を深めていただき納得して決議できるよう全力を尽くしました。

管理組合・居住者の声

理事会のアンケートや管理会社に寄せられた居住者からの声
  • マンション南側に市庁舎が立つ開発計画があり人通りが増えるので、外観がキレイになるのは嬉しい。
  • 植栽が植え変わって鬱蒼とした雰囲気がなくなり明るくなった。風通しも良くなったように感じる。植え替えた後の新しい植栽に札を付けてくれて種類がわかる配慮も嬉しい。
  • 近隣のマンションと比較して子供を遊ばせるスペースがなかったので今回多目的スペースがオープンすると聞いて楽しみにしています!

実施にかかった費用

合計:150,331,500円(税込み)
  • 外壁等改修工事費:133,831,500円(税込み/内グレードアップ費用10,168,200円)
  • 多目的スペース改修費:9,900,000円(税込み/家具類込み)
  • 外構植栽改修工事:6,600,000円(税込み)

収入増や支出減となった費用

  • なし